裁判関連 » 2009/03/07 解決をめざすアピール

にこたまの環境を守る会は2月28日、「二子玉川再開発問題」の解決をめざす集会を開き、次のアピールを決めました。
●東京都と世田谷区に要請
このアピールの実現のために、3月3日、東京都に、3月5日世田谷区に申し入れました。併せて都議会全会派・区議会全会派に要請しました。

二子玉川再開発問題の解決をめざすアピール 2009年2月28日

  1. 私たちは、生存条件の破壊を許さない
    二子玉川は、国分寺崖線と多摩川に挟まれた自然豊かな風致地区です。 私たちは美しい景観と静ひつな住環境を守ってきました。 そこに、最高151メートルの超高層ビルを乱立させる再開発事業は、この袋地に、交通量と人口を過度に集中させ、すでに深刻な大気汚染被害をさらに悪化させます。再開発地は人工地盤によってかさ上げされ、ついたてになって、洪水の危険性を増大させ、集中豪雨時には、周辺低湿地住民の命を脅かします。 私たちは、生命と健康を危険にさらす複合被害=権利侵害を「受忍」するわけにいきません。
  2. 「公共性」に反する事業に公金を支出するな
    再開発組合は、住民を苦しめ、住民の声を反映させないまま、工事を強行しています。日々、被害の実態があからさまになっています。もっぱら最大地権者・東急グループの利潤追求のために、住民に犠牲を強いることは、企業の社会的責任に反し、「反公共」の最たるものです。「公共性」に反する再開発は、法的に許されません。 この事業に700億円もの税金を投入することは、認められません。
  3. 私たちの提案:国民主権のまちづくりを
    いまこそ再開発は、地球環境と私たちの生存条件を確保し、地域特性にふさわしく、経済危機下の人口減少・高齢化社会で持続可能な経済発展につながるようにしなければなりません。 関係するすべての事業体、地権者と住民、行政と議会、司法が未来を見据え、住民が仕事を続け・住み続けられる国民主権のまちづくりにふみだす時です。 時代に適合しない愚かな行為の象徴である「バベルの塔」のように、超高層ビルを乱立させる事業計画でなく、昭和58年3月の世田谷区「再開発基本構想」にあるように、「中高層ではなく、低層高密住宅とし、景観を損ねないようにする必要」があります。そういうまちづくりになるよう、いったん工事を中止し、事業計画を住民参加で見直すべきです。

にこたまの環境を守る会
連絡先 世田谷区玉川2-9-19 飯岡
03-3709-5835

付属文書 2009年2月28日

  1. 東急・世田谷区の「密約」と二子玉川公園の問題
    再開発事業地(II、III街区)はもともと、昭和32年から二子玉川公園として、都市計画公園に決定されていました。このあたり一帯は風致地区で、高度制限もありました。
    ところが昭和61年から63年にかけて、東急グループと世田谷区の責任者が「密約」を結び、東急が、移転後の公園予定敷地の一部にある所有地を世田谷区に譲渡するのと引き替えに、二子玉川公園の位置を変更する、と約束しあいました。
    この約束に従って平成元年に、公園は駅そばから駅遠方に移されることになりました。それがいま事業を始めようとしている二子玉川公園です。
    もともと公園になるはずだった場所にいま、東急グループが中心になって、超高層ビルを建てる再開発を進めているのです。
    このように、二子玉川公園事業には、再開発事業と深い関連があります。世田谷区は、再開発事業地が人工地盤をつくるので、隣接する二子玉川公園も盛り土して「バリアフリー」でつながる(周辺住民にとっては7、8メートルもの「壁」のようにたちはだかる)ようにすると言っています。
    この圧迫感や洪水の危険などは、住民の生命、身体に犠牲を強いるもので、とうてい容認できません。
  2. 事業・資金計画と公金投入、IIa街区の問題
    世界とくに日本経済は、未曽有の不況に突入しています。
    東急グループが取り仕切る再開発組合の事業遂行能力についても、ますます慎重な監督が必要です。ところが世田谷区長は再開発組合に対して、裏付け資料の写しの添付も求めず、多額の公金を支出しています。これでは、住民が監査請求をしても、適正な監査ができません。
    すでに再開発組合は、事業認可時の資金計画について、着工前に総事業費を大幅に増額し、ずさんさを露呈させています。事業自体の破たんさえ起きかねない状況です。
    真ん中のIIa街区の事業計画は、決まらないままです。137メートルのホテル・オフィスビルを建てるのが当初計画ですが、こんな計画のどこに公共性があるのでしょうか。経済危機で、このビル事業が成り立つのでしょうか。破たんして穴うめは税金で、というような事態になることは絶対に認められません。
    そのためにも今から、私たちの提案を実現することがどうしても必要です。
  3. 問題解決のかぎは国民主権のまちづくりへの転換
    昭和58年3月に作成された世田谷区の二子玉川「再開発の基本構想」では、「住宅の形態としては、中高層ではなく、低層高密住宅とし、できるだけ、景観を損ねないようにする必要がある」としています。いまの計画はこれに違反しています。
    この「基本構想」は、そのほかにも地域の問題点として、玉川通りの多摩川にかかる二子橋部分がボトルネックとなって交通渋滞が生じていることや、国分寺崖線に沿って多摩川に注ぐ丸子川が氾濫しやすいこと、図書館等の公共施設がないことなどを指摘しています。
    いまの再開発事業は、これらの問題を解決しないどころか、ますます状況を悪化させています。
    私たち住民はこのような問題を解決するため、平成10年の公聴会で10人の公述人が具体的・専門的な意見陳述をしたのをはじめ、都市計画の公告・縦覧など法定の機会あるたびに意見・提言をしてきました。しかし、私たちの意見はまったく反映されていません。
    私たちがやむにやまれず司法の場に訴えたのも、明確に予見できる状況の悪化を食い止め、問題を解決するためです。法廷で実質審理が行われて、問題が解決するよう全力をつくします。
    二子玉川で「いまそこにある危機」を打開するかぎは、危機をもたらしている大本の再開発事業を見直す作業に、関係当事者すべてが参画し、解決策を見出す国民主権のまちづくりです。そうすることは、生存基盤にかかわるまちづくりの分野から、現在の日本と世界を覆う危機を打開する事業に貢献するに違いありません。

にこたまの環境を守る会  事務局 飯岡 3709-5835

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